オーガスチンのまなざし 神のおとずれ 2018.6月号より

オーガスチンのまなざし 神のおとずれ 2018.6月号より

『小林先生、お帰りなさい』
三月五日(月)、徳島インマヌエル教会の信徒マリヤ野村三四(みよ)さんの葬儀に出席しました。三四さんは、大正三年四月生まれだったので「三四」と名付けられたそうです。百三歳の年齢でした。

私は1987年神学校を卒業して、徳島にある富岡キリスト教会に赴任しました。1998に広島に転任するまで、時々三四さんとはお目にかかっていました。そして十八年ぶりに、2016年に今度は徳島インマヌエル教会の牧師として徳島に帰ってきました。三四さんは、徳島市の佐古にある徳島聖テモテ教会の少し西にある吉田外科に入院されていました。百一歳。早速お見舞いに行きますと、冒頭の「小林先生、お帰りなさい」とご挨拶していただき、こちらの方が恐縮してしまいました。十八年ぶりというのに私のことを覚えていてくださったのです。そして「ありがたいなあ、もったいないなあ、先生が私をお見舞いに来てくださって」とベッドに横になって、手を合わされます。「帰ってきましたよ。またお世話になります」と手を握りますと、三四さん「大きな優しい手。八代斌助主教様の手みたい」とおっしゃる。八代斌助主教様は、かれこれ四十七年前に逝去されていますから、三四さん、八代主教様の手のぬくもりを覚えておられるんだろうと、思った次第です。

『再度』
 昨年十一月十二日(日)徳島聖テモテ教会の巡回日。教会にお邪魔する前に三四さんのお見舞いに行きました。「主教様が私をお見舞い下さるなんて、もったいないなぁ」ととても喜ばれて、握手をするとまた「八代斌助主教様のような、優しい大きな手」とおっしゃる。偉大な八代主教の足元にも及ばないような者ですが、八代主教様の持っておられた「やさしさ」だけはマネしたいと思ったことでした。
 葬儀は芳我秀一司祭と長田吉史司祭が行われていました。式の途中、三四さんが「小林先生、主教様のお仕事、頑張ってくださいね」と励ましてくださっているようでした。