アンデレ便り12月号:ボランティア活動、ハラスメント、パイプオルガン

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ボランティア活動、ハラスメント、パイプオルガン

 11月23日(木)に開催された神戸教区定期教区会は予定の午後5時を超え、午後6時に閉会しました。昨年の教区会では、昼食後、セクシュアル・ハラスメントについての理解を深めましたが、今年は、神戸マリナーズセンターと小名浜の聖テモテ京阪神ボランティアセンターの働きがDVDで紹介され、約1時間がそのために費やされました。また、ハラスメント対策委員会のガイドラインのなかで、「ジェンダー・ハラスメント」の解釈や定義について多くの時間が費やされ、加えて、東日本大震災、紀伊半島土砂災害、広島平和礼拝、耐震改修工事などの報告が続き、教区資金の目的について、丁寧な説明があったため、予定時間を超えたのでした。私は教区会演説で、大聖堂にパイプオルガン導入を訴えました。今なら円高の恩恵を受けることができますし、礼拝音楽の質的向上を図り、オルガニスト養成に不可欠であることを痛感しているからです。
  ハラスメント対策委員会「秘密の厳守」規則に、「対策委員会委員は、任期中及び退任後も、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、被害者が了承し、主教が必要と認めた場合はこの限りではない。」という条項があります。
  「秘密の厳守」は、ハラスメント対策委員に限ったものではありません。ハラスメントの訴えは、教会委員会の議題にもなり得る可能性が大で、協議内容を委員以外の信徒に話すことは絶対に許されません。それによって事実無根の噂が流布され、多くの人たちが傷つく原因となり得るからです。このように、教会においても、牧師・教会委員は「教会委員会で職務上知り得た情報」を家族の者、他の信者に漏らしてはならないのです。ハラスメント事案はハラスメント対策委員会に申し出てください。
  次に、「主教が必要と認めた場合」ですが、牧師の場合、ハラスメントに限らず、牧会上、重大と思われる問題が起こった場合、主教に報告する義務があり(法規35条)、「主教の牧会上の指示と指導を尊重し、これに従うよう(祈祷書456頁)」努めねばならないことを再確認する必要があります。

 

教会にビジョンを

 昨年度教区会において、各教会の宣教活動を支援するため、宣教委員会が設置され、7月18日(月)聖ミカエル大聖堂で、約90名の教役者・信徒が集い、協議会が開催されました。

 教会宣教協議会開催を
 教会の宣教に関しては、牧師や教会委員など、ごく少数の人たちだけが現状を把握しておりますが、他の信徒と顔と顔をあわせて、自教会の宣教問題を分かち合う機会がなかなか得られていないと推測します。教会の現状を様々な角度から把握し、宣教について、新たな視点に立つためには、教会にかかわる、より多くの人たちの、生の声を聞く必要がありますが、その場を「教会宣教協議会」といいます。表現をかえますと、「教会の宣教を考える会」「自分の教会について、もっと知ろう会」「私たちの教会を生かす会」「明日の教会を築く会そのⅡ」となるでしょう。

2013年度受聖餐者総会までにビジョン策定を
 教会の宣教について分かち合いをした結果、牧師を筆頭に、信徒間の協働作業により、教会の長・中期の展望が開かれることを期待します。その展望を具体的、現実的、平易なことばで表現するのがビジョンです。これは、具体的な行動となって年間行事計画に反映され、予算化されます。各教会におかれましては、2013年受聖餐者総会までに、ビジョン策定をお願いします。策定課程では、多くの困難が予想されますが、宣教委員会では、万全の体制を整えて、支援にあたります。

 

宗教者からの提言

 11月21日(月)、神戸の生田神社会館で近畿宗教連盟の兵庫総会が開催され、その後、野田正彰関西学院教授と阪神・淡路大震災時の県知事・貝原俊民氏を講師にお招きし、東日本大震災についての講演、シンポジウムをおこないましたが、総会の最後に、近畿宗教連盟から東日本大震災への提言が採択されましたので、参考までに抜粋を掲載します。
  「……我々宗教者はこのような自然災害を神仏の罰や審判と捉えてはならない。神仏はこの自然災害を通して、被災者の悲しみを自らの悲しみ、苦しみを自らの苦しみとなされ、救済の御心を傾けておられると考えるべきである。……我々は宗教者として次のように提言する。
1.自然は我々の生活を支える豊かな恵みを与えてくださることに留意し、自然との共生 を図っていかなければならない。今災害を科学技術の過信、これまでの歴史と経験の忘却、効率優先、利益第一を旨とした経済活動などを反省する契機とし、我々は飽食の生 活から小欲知足の生活に転換しなければならない。
2.我々宗教者は、神仏の苦しみ、救済の御心の手足となって積極的に犠牲者の鎮魂・慰 霊を行うとともに、傾聴やカウンセリングなどの実践を通して被災者の心の悲しみに寄り添っていかなければならない。
3.我々は……各教団教派の関係各所に、求めに応じてボランティアを派遣し、物心両面 からの支援活動を積極的に行い、被災者の生活再建に協力する。
4. 大災害を受けた場合にシステムの暴走を止めることができない原子力発電への危機管 理の啓発を行い、かつ地球温暖化への影響の少ない再生可能自然エネルギーによる発電技術の実用化が着実に進められていくよう見守っていく。