アンデレ便り6月号:日立ボランティアセンター報告

 どのような活動が可能か、皆目わからない状態のなか、4月19日(火)に開所した日立ボランティアセンターの最初の仕事は、情報収集でした。

 ニーズはどこに

    作業は、先発隊が日立入りした4月9日(土)から開始され、イースター明けの25日(月)、センター長として赴任した瀬山会治司祭により本格化しました。小名浜聖テモテ教会や幼稚園、高齢者福祉施設、カトリック教会、市役所などに日参し、ようやく救援活動の全体像が明らかにされたのが4月28日(金)でした。開所から10日が費やされたことになります。30日(土)には募集要項、ボランティア心得などを発送、5月1日の日曜日には、京阪神3教区各教会に正式にボランティア募集を開始しました。
  主な活動は、津波によって壊滅状態となった、いわき市小名浜地区のどろかきボランティア、避難所での傾聴ボランティア、そして40才以下の人たちを中心にした、日立地域でのボランティアです。
  ゴールデンウイークには約30名が日立のセンターに滞在し、いわき市内と日立市内に分かれ、作業を実施しました。連休が終わり、多くのボランティアが帰路についたとき、ボランティア人員確保が最大の課題となりました。しかし、センター長を中心にして、多くの人たちを巻き込んでの、様々なイベントが企画され、その予告をブログに掲載したことが功を奏したのでしょうか、週明けから8名から15名のボランティアがセンターに常駐しました。

 神戸から大阪へ

 神戸教区担当のセンター長としての任を終えた瀬山会治司祭は、5月21日(土)神戸教区に戻り、センター事務を担当した中村由香里姉は引き継ぎを終え、24日に神戸に帰ってきました。
  センター運営は現在、大阪教区が担当しておりますが、ボランティアの数は十分ではありません。神戸教区の皆さまには、どうか、ボランティアに応募してくださるよう、お願いいたします。
  なお、日立ボランティアセンターの日々の活動は以下のブログをご覧ください。 
  http://blogs.yahoo.co.jp/nskkkobe311/

慈愛の手を差し伸べてください

 「大地震の被災地には多大な悲しみと苦痛があり、将来への希望を失いかけている人が多くおります。主教さま、お願いですから、被災地を訪れ、被災者に語りかけて、声をきき、祈ってあげてください。援助物資も必要でありますが、教会として、今こそ、よきサマリア人の様に、傷心の人々に寄り添うこと、その場に行くことなのです。決してレビ人、祭司の様に通りすぎてしまわないように願います。司祭の方々にも是非おすすめ願います。
  この未曾有の災害に教会として果たすべき役割は何かをお考え頂きたいと思います。」
 東日本大震災約1ヶ月後、一信徒から、このような文面のはがきを受け取りました。キリスト者として、「傷心の人々に寄り添うこと、その場に行くこと」の必要性を訴えておられる心情を、私たちは真摯に受けとめなければなりません。私自身は、小名浜聖テモテ教会主日礼拝後、被災者の信徒の方々とお話ししたのが、唯一の機会で、本当に申し訳なく思っております。
  瀬山司祭の尽力により、いわき市災害救援ボランティアセンターは、傾聴ボランティアを聖公会に任すことにしました。避難所を訪問したボランティアの人たちは、被災者との触れあいを通して、逆に、多くのことを学ばされたということをお聞きしております。日立ボランティアセンターの活動が、困難な状況下にある被災者の、心の癒しの助けとなれば、これほど幸いなことはありません。

教区宣教協議会開催に向けて

 教区内各教会の教勢が次第に低下するなか、教会の宣教活動をどのように活性化させるか。宣教協議会においては、参加者の皆さまと共に、この問題について様々な角度から検討したいと願っております。

ビジョンを掲げよう

 宣教協議会では、教会における宣教の使命を再確認し、これに基づいたビジョン策定方法を学びます。5月7日(土)開催の宣教協議会実行委員会では、委員全員が、協議会で実施される作業の予行演習を行い、作業行程を細かく検証しながら、修正をはかりました。
  宣教協議会と、その後の作業は以下の通りです。

 1) 宣教協議会
    各教会から、牧師・副牧師・管理牧師と、複数信徒の参加を希望します。

 2) 各教会宣教協議会
1. 自教会に戻った後、教会宣教協議会を開催していただくようお願いします。教会の実状を他の教会員と共有し、様々な意見を吸い上げながら、宣教の可能性を模索し、実現可能と思われる選択肢の中から、より適切な事柄についてのビジョンを設定し、それを実行に移して頂くためです。
2.教会宣教協議会開催が困難と思われる場合、教区宣教委員会が様々なかたちで援助をいたします。
3.教会の規模が小さく、教会独自でビジョン策定が困難な場合、近隣教会との協働、伝道区の支援が、当然、求められます。

3) 来年度、あるいは再来年の各教会受聖餐者総会で、ビジョンを採択し、実行に移してください。

 2016年は神戸教区宣教140年目に当たります。この年、神戸教区に属する全ての教会が、今以上に宣教の使命に燃えて、活き活きとした教会に変身していることを望んでおります。