オーガスチンのまなざし 神のおとずれ2021年9月号より

「教区宣教の委員会」

宣教委員会は、二〇一〇年の教区会で建てられ、私がそのお世話を仰せつかっていました。各伝道区からそれぞれ一人委員さんに出ていただき、教区の宣教について担当していました。

昨年の教区会終了で、委員が改選され、新しいメンバーで委員会が行われています。オンライン会議で、熱心に教区の宣教の問題点や課題が分かち合われています。そこで出されている問題点を列挙してみます。

教役者の勉強(説教、教区財政)、宣教意欲の不足、信徒が何を求めているか理解していない教役者、教役者と信徒の信頼関係の薄弱さ、また来たいと思えない教会・礼拝の現実、各教会の地域への関わりのなさ、信徒の意識の低さと牧師依存体質、などなど。主教として耳の痛いことです。これらの問題を一挙に解決することはできませんが、宣教委員会で解決策を考えながら、進めています。

 

「ていねいな牧会」

どうすれば、ていねいな牧会が出来るのか。教役者が一人一人の信徒の皆さんに耳を傾け、その必要、悩みに寄り添うことから始めるべきです。

コロナ禍にあって、お葬式をするのに教役者、信徒、ご遺族の意思疎通が悪い、という話を聞きます。それぞれの思いを十分聞いて、理解しあうことしか、解決の道はありません。

いのちのことば社から『私の葬式の備え』というB四・二つ折り、表裏の書類が出版されています。生年月日、信仰歴、所属教会などは勿論、その他に、好きな聖句、愛唱歌、好きな花、葬儀場の希望、お花料の扱い、埋葬場所の希望などなどです。こうした書類を教役者、ご本人、ご家族と話し合いながら記入していく、そういう時間を持つことが大切だと思います。私だったら、そのお話の中で、どうして信仰生活に入ったのか、信仰を持っていて一番喜んだのは何か。神様がして下さった奇跡とは何か、などお聞きしたいことが沢山あります。そういう時間の共有から、理解しあい、信頼関係が作られていくと思います。

(神戸教区主教)