アンデレ便り3月号:牧師館の思い出
明石聖マリア・マグダレン教会、信徒会館・牧師館落成に際して
2月13日午後、盛大に落成式が挙行されました。旧牧師館は、差別と偏見の中で悲惨な生活を余儀なくされていた、草津のハンセン病者のために一生を捧げ、晩年、その草津から明石に転居されたコンウォール・リー伝道師によって建てられたものです。式には、広田主教はじめ北関東教区関係者多数が出席されました。
1960年半ばまで、幼稚園と牧師館の間には、もう一軒集会室兼住宅がありました。附属の幼稚園園児増加のため、これが壊され、以後、週間の教会行事に大きな制限が加えられていたのです。40年以上経ってようやく集会室が与えられたことは、信徒の方々にとってその喜びはひとしおでした。
1956年、私の家族が下関からこの牧師館に移り住みました。八代斌助主教の当初の目論みは、父を高知聖パウロ教会にと願っていたようですが、種々の事情で明石となりました。これは津口先生から聞いた話です。問題は牧師館の狭さにあったのです。男5名、女3名、計8名の兄弟と祖母、併せて11名が押し合いへし合いしながら、生活することになりました。夕食は二交代、一番大きな部屋6畳で男5名がなることになります。雨の日は、ここで男兄弟で戦争ごっこが始まり、畳はあっと言う間にすり切れ、毛羽立ったままの状態になるのです。私が確保できたスペースは、和室に至る通路一つを遮断し、そこに机一つというものでした。ある冬、あまりの寒さに練炭を机の下に置き、机の上に毛布を掛けて復習をしておりますと、気を失ってしまいました。いち早く気づいた兄弟の一人が私を揺すり起こし、大事には至りませんでした。
次の年のある朝、9番目がこの牧師館で生まれました。オギャーという最初の声を聞いて人丸小学校に向かう私の足は重いものでした。担任の先生が、年に数回、家族構成を生徒に訊くからです。「兄弟3名の人、手を挙げてください。」「5名の人」、これで終わればいいものを、「もっと兄弟のいる人、いますか」と、知っておりながら、念を押すのです。私が手を挙げますと先生が、「何名ですか」と聞きます。「8名です。」といったとたん、クラスがどっとわくのですが、私は赤面し、うつむくばかりです。
翌年、おばあちゃんが、風邪をこじらして肺炎を併発しました。学校を終え自宅に帰ってきますと、祖母が寝ている布団の側で、母親が泣きながら私の方を振り向き、亡くなったことを告げました。次の日の晩、通夜が執り行われ、家族全員で記念写真を撮ることになりました。その写真を見ますと、全員にっこり笑っているのです。写真を撮るときは笑顔でなければならない、というのが我が家のおきてなのか、あるいは別の意味があるのでしょうか。
明石の教会に集会室が与えられました。集会室は、聖書を始め信仰の研鑽に役立つ学びの場、奉仕の実際を学ぶ研修の場、地域社会に開かれ教会信徒との交流を深める場、そして憩いの場となることがこれから期待されます。このような場を与えられた教会の宣教活動がますます盛んになることを祈ります。
大斎節を有意義に
ミカエル大聖堂の秋が深まるにつれ、毎朝7時に行われる聖餐式司式する司祭は、日を追うごとに暗くなる、ベストリーから地下の至る階段を降り、小聖堂までの通路を通る度にクリスマスを心待ちにします。クリスマスを境にして、夜明けが次第に早くなるからです。クリスマスが過ぎますと、今度は、復活祭が必ず近いうちにやってくることを実感します。
2月17日(水)大斎節が開始されました。大斎という日本語は英語のレントを訳したものですが、もともとは、ゆっくり進むという意味のラテン語です。約40日後、春の訪れと共にキリスト教最大のお祭りである復活際がやってきます。その準備のためにも、大斎節には、自分に欠けているものを補うため、何かを実行したいものです。霊的枯渇を癒すための書物、健康維持のための運動、食物の節制などです。
聖公会では、大斎始日と受苦日に断食日と定められております。断食を実行することにより、人間とは食物を摂取しない限り生きることができないこと、つまり、有限な存在であることを身をもってしるのです。同時に、天国に宝を積むため、キリスト者個々人が与えられた今の時のなかで、何を次の世代に継承していくかを常に自分自身に問う必要があります。
シリアの聖イサクは、「同情の心」のなかで、謙遜を身につけるには「犯した罪を絶え間なく思い起こすことによって、死が間近に近いことを予期することによって、・・・・・・最も重要でない、嫌われる一切の強制なしに恒に率先して実行することによって、・・・・・・人に知られず、人から賞賛なしにいたいと思うことによって、・・・・・・利益を嫌うことによって、要約すると、追放、貧しさ、孤独の生活、これらはすべてのものは謙遜を生み出し、人の心を清める」述べているのです。
聖ミカエル教会に感謝! -大聖堂耐震改修工事経過報告-
1月31日(日)開催の神戸聖ミカエル教会受聖餐者総会において、聖ミカエル教会は、大聖堂耐震改修工事のため3千万円の献金を献げる事を決議した。ありがとうございました。2月5日、設計士も加わり、耐震改修工事テーム会議が開催されましたが、協議内容をお知らせします。
• パイプオルガン設置予定場所の床補強
大聖堂内部の形状をリフォームするため、将来、誰かの手によって寄贈されることが大いに期待されているパイプオルガン設置場所補強について協議しました。第一案は、大聖堂入り口左、山側の窓にそっての設置です。この場合、消火栓を移設する必要がありましたが、消火栓から60センチの間隔を開けて設置することで問題解決を図り、2,3トンの重量に耐えうる床補強も、この場所であればさほど困難ではない。
•中二階に設置した場合
大聖堂壁面にパイプを取り付けることになる。この場合、電子信号をパイプに送る方法を採用することとなり、鍵盤からの指令による音がずれて出る。低音の場合、一体形でも若干ずれるが、分離型の場合、その差が大きくなる。
加えて、在る程度の高さが要求されるパイプに見合った高さ確保が困難であることが予測される。同時に、1階の場合より床補強費用が嵩む。
•協議の結果、原案通り、パイプオルガンを大聖堂入口左側窓に向けて設置することに決定
•実施設計について
3月3日(水)、大阪の「竹中音響研究所」に赴き、大聖堂音響シュミレーションを聴く。その後、残響を決定し、これに基づくスピーカーの位置や、天井板の形状や仕様を決定する運びとなる。
現在のところ、実施設計完了は4月半ばとなり、工事のコンペは5月半ばにずれ込むことが予測される。
近日中に、実施設計及び工事などの工程を提出する。
1.工事期間
8月31日に耐震改修工事を終了することを確認した。
2.耐震改修工事終了感謝礼拝9月16日10月11日(月)教区礼拝として実施する。
3.その他 1.3月3日、残響シミレーションを聴くため、竹中音響研究所に赴く。
2.エーアンドデー設計の、実施設計進捗状況に合わせて会議を開催する。
3.募金開始を復活節に開始しなければならず、教区事務所、ミカエル教会と連携して、 募金に取り組むことが求められる