主よ、あなたに呼び求める民を慈しみ、その祈りをお受けください。
どうか、行うべきことを悟る知恵と、それを忠実に成し遂げる恵みと力をお与えください。
主イエス・キリストによってお願いいたします。
アーメン
列王記下 4:《8-17》,18-21,《22-31》,32-37
《ある日、エリシャはシュネムに行った。そこに一人の裕福な婦人がいて、彼を引き止め、食事を勧めた。
以来彼はそこを通るたびに、立ち寄って食事をするようになった。
彼女は夫に言った。「いつもわたしたちのところにおいでになるあの方は、聖なる神の人であることが分かりました。あの方のために階上に壁で囲った小さな部屋を造り、寝台と机と椅子と燭台を備えましょう。おいでのときはそこに入っていただけます。」
ある日、エリシャはそこに来て、その階上の部屋に入って横になり、従者ゲハジに、「あのシュネムの婦人を呼びなさい」と命じた。
ゲハジが呼ぶと、彼女は彼の前に来て立った。エリシャはゲハジに言った。「彼女に伝えなさい。『あなたはわたしたちのためにこのように何事にも心を砕いてくれた。あなたのために何をしてあげればよいのだろうか。王か、軍の司令官に話してほしいことが何かあるのか。』」
彼女は、「わたしは同族の者に囲まれて何不足なく暮らしています」と答えた。
エリシャは、「彼女のために何をすればよいのだろうか」と言うので、ゲハジは、「彼女には子供がなく、夫は年を取っています」と答えた。
そこでエリシャは彼女を呼ぶように命じた。ゲハジが呼びに行ったので、彼女は来て入り口に立った。
エリシャは、「来年の今ごろ、あなたは男の子を抱いている」と告げた。彼女は答えた。「いいえ、わたしの主人、神の人よ、はしためを欺かないでください」と答えた。
しかし、この婦人は身ごもり、エリシャが告げたとおり翌年の同じころ、男の子を産んだ。》
その子は大きくなったが、ある日刈り入れをする人々と共にいた父のところに行ったとき、「頭が、頭が」と言った。
父が従者に、「この子を母親のところに抱いて行ってくれ」と言ったので、従者はその子を母親のところに抱いて行った。
その子は母の膝の上でじっとしていたが、昼ごろ死んでしまった。彼女は上って行って神の人の寝台にその子を横たえ、戸を閉めて出て来た。
《それから夫を呼び、「従者一人と雌ろば一頭をわたしのために出してください。神の人のもとに急いで行って、すぐに戻って来ます」と言った。
夫は、「どうして、今日その人のもとに行くのか。新月でも安息日でもないのに」と言ったが、「行って参ります」と彼女は言い、雌ろばに鞍を置き、従者に、「手綱を引いて進んで行きなさい。わたしが命じないかぎり進むのをやめてはいけません」と命じた。
こうして彼女は出かけ、カルメル山にいる神の人のもとに来た。
神の人は遠くから彼女を見て、従者ゲハジに言った。「見よ、あのシュネムの婦人だ。すぐに走って行って彼女を迎え、『お変わりありませんか、御主人はお変わりありませんか。お子さんはお変わりありませんか』と挨拶しなさい。」
彼女は、「変わりはございません」と答えたが、山の上にいる神の人のもとに来て、その足にすがりついた。
ゲハジは近寄って引き離そうとしたが、神の人は言った。「そのままにしておきなさい。彼女はひどく苦しんでいる。主はそれをわたしに隠して知らされなかったのだ。」
すると彼女は言った。「わたしがあなたに子供を求めたことがありましょうか。わたしを欺かないでくださいと申し上げたではありませんか。」
そこでエリシャはゲハジに命じた。「腰に帯を締め、わたしの杖を手に持って行きなさい。だれかに会っても挨拶してはならない。まただれかが挨拶しても答えてはならない。お前はわたしの杖をその子供の顔の上に置きなさい。」
その子供の母親が、「主は生きておられ、あなた御自身も生きておられます。わたしは決してあなたを離れません」と言ったので、エリシャは立ち上がり、彼女の後について行った。
ゲハジは二人より先に行って、杖をその子供の顔の上に置いたが、声も出さず、何の反応も示さなかったので、引き返してエリシャに会い、「子供は目を覚ましませんでした」と告げた。》
エリシャが家に着いてみると、彼の寝台に子供は死んで横たわっていた。
彼は中に入って戸を閉じ、二人だけになって主に祈った。
そしてエリシャは寝台に上がって、子供の上に伏し、自分の口を子供の口に、目を子供の目に、手を子供の手に重ねてかがみ込むと、子供の体は暖かくなった。
彼は起き上がり、家の中をあちこち歩き回ってから、再び寝台に上がって子供の上にかがみ込むと、子供は七回くしゃみをして目を開いた。
エリシャはゲハジを呼び、「あのシュネムの婦人を呼びなさい」と言った。
ゲハジに呼ばれて彼女がエリシャのもとに来ると、エリシャは、「あなたの子を受け取りなさい」と言った。
彼女は近づいてエリシャの足もとに身をかがめ、地にひれ伏し、自分の子供を受け取って出て行った。
1 声を限りに主を呼び求め‖ 声を限りに主に祈る
2 み前に嘆きを訴え‖ み前に悩みを打ち明ける
3 弱り果てたときも神はわたしの歩みを守ってくださる‖ わたしが歩む道にはわなが掛けられている
4 右に目を注いで見ても、わたしを助ける者はいない‖ わたしには逃げる所もなく、命を救う者もいない
5 神よ、あなたに向かってわたしは叫ぶ‖ あなたはわたしの寄りどころ、わたしの命のすべて」
6 わたしの叫びに心を留めてください。わたしは打ちひしがれている‖ 虐げる者から救ってください。彼らはわたしよりはるかに強い
7 わたしを獄屋から助け出してください。み名に感謝するために‖ あなたがわたしを恵まれるから、正しい人は周りに集まる
1 ハレルヤ、何と麗しいことか、わたしたちの神をほめたたえることは‖ 何とふさわしいことか、わたしたちの神を賛美することは
2 主はエルサレムを建て直し‖ イスラエルの散らされた者を集められる
3 失意の人びとの心を支え‖ その傷をいやされる
4 神は星の数を定め‖ そのすべてに名を付けられる
5 わたしたちの主は力に満ちて偉大‖ その知恵は計り知れない
6 主はへりくだる人を支え‖ 悪人を地に倒される
7 感謝の歌を主に歌い‖ 堅琴に合わせて神をたたえよ
8 神は雲で天を覆い、地に雨を降らせ‖ 野山に若草を萌えさせる
9 野の獣、えさを求める烏のひなにも‖ 神は食物を与えられる
10 神は軍馬の力を望まず‖ 兵士の数を喜ばれない
11 主が喜びとされるのは‖ 神を畏れ、その慈しみを待ち望む人
12 エルサレムよ、主をほめよ‖ シオンよ、神をたたえよ
コリントの信徒への手紙一 9:16-23
もっとも、わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。
福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。自分からそうしているなら、報酬を得るでしょう。しかし、強いられてするなら、それは、ゆだねられている務めなのです。
では、わたしの報酬とは何でしょうか。それは、福音を告げ知らせるときにそれを無報酬で伝え、福音を伝えるわたしが当然持っている権利を用いないということです。
わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。
ユダヤ人に対しては、ユダヤ人のようになりました。ユダヤ人を得るためです。
律法に支配されている人に対しては、わたし自身はそうではないのですが、律法に支配されている人のようになりました。律法に支配されている人を得るためです。
また、わたしは神の律法を持っていないわけではなく、キリストの律法に従っているのですが、律法を持たない人に対しては、律法を持たない人のようになりました。
律法を持たない人を得るためです。
弱い人に対しては、弱い人のようになりました。弱い人を得るためです。
すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。
福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。
マルコによる福音書 1:29-39
すぐに、一行は会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。
シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。
夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。町中の人が、戸口に集まった。
イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。
悪霊はイエスを知っていたからである。
朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。
シモンとその仲間はイエスの後を追い、見つけると、「みんなが捜しています」と言った。
イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」
そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。