B年 大斎節第2主日 特祷・聖書日課 (紫)

大斎節第2主日

全能の神よ、わたしたちは自らを助ける力のないことをあなたは知っておられます。
どうか外は体を損なうすべての災いを防ぎ、内は魂を襲う悪念を除いてください。
主イエス・キリストによってお願いいたします。
アーメン

第1の朗読

創世記 22:1-14

神はアブラハムを試された。神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、神は命じられた。
「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」
次の朝早く、アブラハムはろばに鞍を置き、献げ物に用いる薪を割り、二人の若者と息子イサクを連れ、神の命じられた所に向かって行った。
三日目になって、アブラハムが目を凝らすと、遠くにその場所が見えたので、アブラハムは若者に言った。
「お前たちは、ろばと一緒にここで待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。」
アブラハムは、焼き尽くす献げ物に用いる薪を取って、息子イサクに背負わせ、自分は火と刃物を手に持った。
二人は一緒に歩いて行った。イサクは父アブラハムに、「わたしのお父さん」と呼びかけた。彼が、「ここにいる。わたしの子よ」と答えると、イサクは言った。
「火と薪はここにありますが、焼き尽くす献げ物にする小羊はどこにいるのですか。」
アブラハムは答えた。「わたしの子よ、焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる。」
二人は一緒に歩いて行った。神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べ、息子イサクを縛って祭壇の薪の上に載せた。
そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。
そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。
彼が、「はい」と答えると、御使いは言った。
「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」
アブラハムは目を凝らして見回した。
すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。
アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。
アブラハムはその場所をヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と名付けた。
そこで、人々は今日でも「主の山に、備えあり(イエラエ)」と言っている。


詩編 第16篇

1 神よ、わたしを守ってください‖ わたしはみもとに逃れます
2 主に向かってわたしは叫ぶ「あなたはわたしの主‖ あなたのほかに幸せはない」
3 地にある聖徒たちに‖ わたしの大きな喜びがある
4 ほかの神々のもとに走る者は苦しみを増す‖ わたしは血の祭りを献げず、その名を口にすることはない
5 主よ、あなたはわたしの受ける譲り、わたしの受ける杯‖ わたしの行方を決める方
6 測り縄はわたしのために良い所に落された‖ わたしの受けたものはすばらしい
7 わたしに勧めを与えてくださった主をたたえよう‖ 夜わたしは深く悟る
8 わたしは絶えず主を思う‖ 神はわたしの右におられ、わたしは揺るがない
9 心は喜びに満ち溢れ‖ 体は安らかに憩う
10 神よ、あなたはわたしを死の国に見捨てられず‖ あなたを敬う人が朽ち果てるのを望まれない
11 あなたは命の道を示してくださる‖ み前には溢れる喜び、みもとには永遠の楽しみがある

詩編 第105篇 1~11節

1 主に感謝してみ名を呼び‖ 諸国の民に神のみ業を告げ知らせよ
2 賛美の歌を神に歌い‖ そのすべての不思議なみ業を語れ
3 尊いみ名に栄光あれ‖ 主を捜し求める者よ、心から喜べ
4 主にその力を求め‖ 常にみ顔を慕い求めよ
5 神が行われた不思議なみ業を思い起こせ‖ 救いのしるしと審きの言葉を
6 神の僕アブラハムの子孫‖ 選ばれた者、ヤコブの子らよ
7 主はわたしたちの神‖ その審きは世界に及ぶ
8 神は契約をとこしえに守られる‖ この契約は世々に及ぶ
9 アブラハムと結ばれたもの‖ イサクにされた誓い
10 ヤコブのために定められたおきて‖ イスラエルのための永遠の契約
11 神は仰せになった、「わたしはお前にカナンの地を与え‖ 子孫の譲り受ける国とする」


第2の朗読

ローマの信徒への手紙 8:31-39

では、これらのことについて何と言ったらよいだろうか。もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。
わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。
だれが神に選ばれた者たちを訴えるでしょう。人を義としてくださるのは神なのです。
だれがわたしたちを罪に定めることができましょう。
死んだ方、否、むしろ、復活させられた方であるキリスト・イエスが、神の右に座っていて、わたしたちのために執り成してくださるのです。
だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。艱難か。苦しみか。迫害か。飢えか。裸か。危険か。剣か。
「わたしたちは、あなたのために一日中死にさらされ、屠られる羊のように見られている」と書いてあるとおりです。
しかし、これらすべてのことにおいて、わたしたちは、わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。
わたしは確信しています。
死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。


福音書  

マルコによる福音書 8:31-38

それからイエスは、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日の後に復活することになっている、と弟子たちに教え始められた。
しかも、そのことをはっきりとお話しになった。すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。
イエスは振り返って、弟子たちを見ながら、ペトロを叱って言われた。
「サタン、引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間のことを思っている。」
それから、群衆を弟子たちと共に呼び寄せて言われた。
「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。
自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである。
人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。
自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。
神に背いたこの罪深い時代に、わたしとわたしの言葉を恥じる者は、人の子もまた、父の栄光に輝いて聖なる天使たちと共に来るときに、その者を恥じる。」



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